経営者・ビジネスマン必見!?2025年以降大変化する時代との向き合い方

こんにちは、経営コンサルタントの鍵政達也です。
今回は2025年が始まったタイミングということで、大変化の時代との向き合い方というテーマで書いていきます。

大変化のタイミングの2025年

ここ数年、社会の変化を感じる出来事が立て続けに起きました。2020年には新型コロナウイルスのパンデミックが世界を襲い、生活や働き方が一変し経済に大きな影響を与えました。リモートワークが普及する一方で、国境を越えたサプライチェーンが混乱し、多くの企業が経営の見直しを迫られました。

さらに2022年には、ロシア・ウクライナ戦争が勃発。エネルギー価格の高騰や物価の上昇が、家庭や企業の負担を増大させました。これに加え、デジタル化の加速があらゆる産業に変革をもたらし、新しい技術やビジネスモデルが次々と登場しています。

国内に目を向ければ、2022年に安倍元首相の暗殺事件が発生し、その後の政治体制に大きな影響を与えました。その後の政治の混沌は言うまでもないでしょう。

海外では、イスラエル・パレスチナ紛争、トランプ大統領の再選、韓国での戒厳令に端を発した政治的な混乱などこれまでの「比較的安定した世界」からの変化を感じている方は多いのではないでしょうか。

これらの出来事のキーワードは「既存体制からの転換」にあります。
これまで当たり前だった権力構造、価値観、そういったものが変わっていくタイミングなのでしょう。
こうした変化の中で、2025年はさらに重要な転換点となると考えられています。これまで積み重ねられてきた課題と新たな可能性が交錯するこのタイミングに、経営者やビジネスマンはどのように向き合っていくべきなのかを考えていきます。

「風の時代」という話

2020年から「風の時代」に入ったということが占星術の世界では言われます。
こういう類の話は「科学的か」と言われれば説明は難しいかもしれませんが、金融の世界のアノマリー(「理屈では説明がつかないが、なぜか通説の通り動くことが多い」ということを指す)のように、先を見通す上では示唆に富んだものが多いように思います。
「なぜそうなるのか」はもちろん大事なのですが「そのようになっている」と一旦受け入れて考えることも多面的に考える上では大切な視点です。

では「風の時代」とはどのようなものなのでしょうか。
風の時代の前の「地の時代」は物や財などを重んじる傾向があるのに対し、風の時代は知性や意識、情報などを重んじる傾向がある、とされています。
占星術的な説明はここでは割愛しますが、2020年までの「土の時代」と比較すると下記のような変化があるそうです。


確かに2020年くらいから急速にこのような変化が進んでいるような印象はありますし、昨今の「権威的なもの」が崩壊していく話とも重なります。
大きな流れとして世の中がこのような方向に進むのだろう、ということを押さえておくことは意味のある事だと思います。

「歴史は繰り返さないが韻を踏む」という話

「歴史は繰り返さないが韻を踏む」は「トム・ソーヤーの冒険」で知られる米作家マーク・トウェインの言葉とされています。
これは、歴史において全く同じことは起こらなくとも、本質的に似たような事象を繰り返す、ということを表しています。
歴史的な出来事から私たちの身の回りの出来事まで、このような事例はみなさんすぐに頭に浮かぶのではないでしょうか。
似たような話で「コンドラチェフサイクル」というものがあり、景気変動は50~60年周期で起こり、技術革新の周期と合う、という理論で旧ソ連の経済学者コンドラチェフが提唱しました。

ここで抑えておくべきは「世界は周期的に似たようなことを繰り返すものだ」という観点で、過去に起こったことからその「韻」がどのようなものか想定しておくことでしょう。
日本において、2025年の60年前の1965年頃は、戦後処理が終わりいわゆる55年体制が確立し「戦後の枠組み」が完成、朝鮮特需からの高度経済成長と続き、社会構造や価値観が大きく変化した時代であることは言うまでもありません。その30年後の1995年頃は、東西冷戦の終結、バブル崩壊、非自民政権の発足(55年体制の崩壊)、地下鉄サリン事件、阪神淡路大震災、金融危機など社会不安が続いた時期でした。ここでも大きく社会や価値観が変化しました。

これからも何らかの「イベント」が発生し、大きな社会変化を伴うことになると想定されますが、過去の出来事を参照しながら、どのような方向に進むのか心構えをしておくことが重要です。

「評価経済社会」と「ホワイト化社会」という話

前置きが長くなってしまいましたが「じゃあ具体的にどうなるんだ」という点が現実の経営やビジネスでは重要です。
経営やビジネスを考える上では、顧客や従業員の価値観(ある種のペルソナ)は大事な観点の一つですが、評論家の岡田斗司夫氏は今後の社会について「評価経済社会」が進み「ホワイト化社会」になると言っています。

まず「評価経済社会」というのは、他人の評価によって「価値」が決まるという社会です。昨今ではビジネスやSNSなどでも広く浸透しており、YouTubeのチャンネル登録者数やインスタグラムのフォロワー数などが経済的な価値と強く結びついています。またフリマアプリでの評価や各種口コミサイトもそうです。
ホワイト社会というのはそれらがさらに進行し、普段の立ち居振る舞いや、言動においても清廉潔白で他者から「信用」される行動が求められるというものです。昨今の芸能ニュースとその後の当事者の状況などからもその一端が垣間見えます。

いわゆるポリコレ(政治的正しさ)に近いものがありますが、様々な価値観に配慮しつつ「正しい」行いをしないと信用を失う、それが経済的な価値の毀損にもつながる、そんなイメージです。
そのような社会において、本音の価値観を共有できる人たちのつながりを求めたり、自分が本当に好きなものにお金を使う、という行動につながっていくのかと思います。
(そのように考えていくと風の時代の行動様式と一致しますね)

労働環境のホワイト化も理屈は同様です。

経済環境と具体的なアクション

経済環境は国内の物価高、人手不足、世界の政治情勢(トランプ、中東 etc…)で当面の間「追い風」はあまり期待できないでしょう。
一方で「風の時代」的な価値観への変化、既存の権力構造的なものの崩壊が進むと考えられることから、具体的には下記のような備えが必要と考えられます。

既存ビジネスの点検・見直し

既存の価値観や既存の仕組みに依存したビジネスは大きな影響を受けることが想定されます。
すべてが突然なくなってしまうようなことはありませんが、変化を見据えた備えは必要です。
提供している商品・サービス、顧客、その提供の方法などを変化させていくことでリスクヘッジを図っていくことが必要でしょう。

経済環境への対応

物価高や人手不足(採用費、人件費、外注費増など)にどう向き合うかもポイントです。
まずは現状を解像度高く把握しましょう。部門別、商品・サービス別など網目を細かくして収益やコストを把握し、影響の大きいところから見直しや対策を進めていきましょう。その際は問題の本質を見誤らないように注意したいところです。
値上げもやむなし、となることもあるかと思いますが、その際はどのように付加価値をつけるのかという点も意識して進めましょう。
例えば、焼肉屋さんで従来通りの生肉で提供で、原価100円/売価150円のものが、同じ素材でも店独自の味付けで加工をすれば、原価120円/売価200円で大好評となったみたいなことがあります。
これは一例ですが、顧客は何に価値を感じるのか、という切り口で考えれば色々と応用が利くはずです。

突発事態への備え

変化の時代には天災地変が伴うことも多いです。先立つものがなければ危機を乗り越えることは難しくなります。借りられるうちに借りておく、ということは非常に重要です。
ビジネスモデルの転換や今後の備えとして、しっかりと計画を作り金融機関とお付き合いしていくことも進めておきましょう。

最後に

あれやこれやと長くなってしまいましたが、ダーウィンの「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもない。唯一生き残るのは、変化に対応できる者である。」という言葉が強く意識される時代になりました。
外部環境が悪い、顧客が悪い、従業員が悪い、様々な要因が思いつくかもしれませんが、結局どうにかするのは自分自身です。

事実とデータを客観的に把握し、あるべき姿の方向性と自身が変えることができる「変数」が何なのかを見極め、自分で変えることが出来ることを着実に進めていく、そんな姿勢が求められるのだと思います。
変化というものは大変ですが、歴史的な変化を楽しむ、そんな心持ちでいたいものです。

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鍵政 達也